理事長の言葉

共に生きる社会をめざして歩んでいきます

私は長い間社会福祉協議会で地域福祉の仕事をしてきました。初代理事長の水野昌子さんから、特定非営利活動法人天使のはねをさらに発展させていく仕事を令和2年4月に引き継ぐことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

40年以上前に社会福祉の仕事に就くときに、大学生の身分であった私は、重度障害者施設に一週間の実習にいきました。そこでの経験が私の社会福祉の仕事の原点になっています。当時の障害者施設は町中から遠く離れた場所に存在することが多く、しかも入所施設でしたので、実習に行った施設では20人くらいの身体と知的の障害を合わせて持っておられる方々が同じ部屋の中で暮らしていました。わたしはその部屋で食事介助や日中の活動の手助けをさせていただいたのですが、同じ年頃の若い青年たちが、障害があるという理由だけで、遠く離れた施設で、同じ障害者ばかりの集団で暮らしているという事実に愕然としました。健常者と言われる自分たちが、ずるく思えてなりませんでした。哀しくなったことを覚えています。

その実習のレポートには、自分なりの言葉で、町中から遠く離れた施設に、障害者だけを押し込めている現実は、おかしい。何とかしなくてはいけない。ということを書きました。

その実習経験から、ほどなく静岡県社会福祉協議会に就職が決まり、地域福祉の仕事をする中で、自分自身が実習で思ったこと、地域社会の中でいろいろな人たちがつながりながら支えあっていく社会こそ、我々が目指す社会であることを確信しました。

私自身、天使のはねの仕事が長かった人生の最後の仕事になるだろうと思っています。40数年前に感じた社会福祉の思いを、最後の仕事で完成できるように頑張っていきたいを思っています。

そのためには、えんぜる、にしたかの利用者や家族、職員だけでなく、西高町、岡地区、清水区、地域の方々、地区社協、自治会、民生委員、ボランティアなどの関係者、その他多くの方々のご支援とご協力をいただかなければなりません。

どうぞよろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人天使のはね

理事長 杉山昌弘